DSとフランス大統領専用車
DSとフランス大統領専用車
2025年5月8日、フランス共和国大統領エマニュエル・マクロン氏が、世界で初めて100%電気自動車を公式車両として使用。それが、DSの新たなフラッグシップ、 DS N°8 でした。
「DS N°8」はACC社製バッテリーを搭載し、最大航続距離は驚異の691km(欧州仕様車 参考値)を実現。N°8発売に先駆けて製造された、唯一無二の大統領専用仕様。クラフトマンシップ、サステナビリティ、そしてフランスのエレガンスが融合した一台です。
2025年5月8日、フランス共和国大統領エマニュエル・マクロン氏が、世界で初めて100%電気自動車を公式車両として使用。それが、DSの新たなフラッグシップ、 DS N°8 でした。
「DS N°8」はACC社製バッテリーを搭載し、最大航続距離は驚異の691km(欧州仕様車 参考値)を実現。N°8発売に先駆けて製造された、唯一無二の大統領専用仕様。クラフトマンシップ、サステナビリティ、そしてフランスのエレガンスが融合した一台です。
DSとフランス共和国大統領府との関係は、時代を超えて受け継がれる“特別な同盟”です。
現在のフランスの政治体制「第五共和政」が1958 年に始まって以来、DS 、シトロエンSM 、そして近年ではDS 5 やDS 7 といったモデルが大統領専用車として、フランス第五共和政 初代大統領シャルル・ド・ゴールをはじめ歴代7人のフランス大統領に選ばれてきました。
2017年の就任式では、エマニュエル・マクロン大統領が特別仕様の「PRESIDENTIAL DS 7 CROSSBACK」に乗り、シャンゼリゼ通りをパレード。フランス国民に向けて初めて挨拶を送ったその姿は、まさに新時代の幕開けを象徴するものでした。
また、2021年11月には、公用車両として「DS 7 ÉLYSÉE」がエリゼ宮殿の車列に加わりました。このモデルは、専用にロングホイールベース化され、300馬力のE-TENSEプラグインハイブリッドシステムとインテリジェント4WDを搭載した、実用性と威厳を兼ね備えた1台です。
そして2025年5月8日。フランス国民の近くで記念式典に参列するという使命のために、DS Automobilesは新たな100%電動フラッグシップを大統領府のために製作。それが、PRESIDENTIAL DS N°8。フランスの技と美が凝縮された、唯一無二の存在です。
歴代大統領の公用車には、ド・ゴール時代のシトロエンDSを使用していました。特に「SMプレジデンシャル」は、DSの流れをくむ高級グランツーリスモ「SM」をベースにした、式典専用モデルとして知られています。
Photo by André Cros is licensed under CC BY-SA 4.0
シャルル・ド・ゴールは、特にシトロエンDSを重用。その卓越した走行性能により、暗殺未遂から命を守られたエピソードは有名です。エリゼ宮殿には、 「SMプレジデンシャル」が今も現役で使用できる状態で保管されています。
Photo by Remi Mathis - Own work is licensed under CC BY-SA 3.0
オランド大統領の就任パレードに選ばれた、シトロエン DS5。環境に配慮したディーゼルハイブリッドを採用したオープントップの特別仕様車です。シトロエンDSの名を継ぐ、当時の最新モデルとして、フランスの職人の技と先進性を象徴する1台となりました。
N°8に込められた、歴史と革新
❝ 70年近くに渡りフランス共和国大統領府から高く評価されてきたDSモデルの系譜を受け継ぎ、今もなおDS N°8に継承されています。
まるで2024年パリ五輪の開会式が“過去と現在”をつなぐ象徴であったように、この電動リムジンもまた、691kmの航続距離(欧州仕様車 参考値)という先進性を携え、正式デビューに先駆けてその姿を現しました。
そこには、フランスが誇る卓越したクラフトマンシップと、DSの本質であるアヴァンギャルドな精神が息づいています。
そして常に、真のエクセレンスを追求する精神とともに。❞
— グザヴィエ・プジョー, DS Automobiles CEO
卓越した創造性とクラフトマンシップが生んだ、唯一無二の大統領専用車
PRESIDENTIAL DS N°8は、DS Automobilesのエンジニアとクリエイティブチームの手によって、数々の特別な仕様が施された大統領専用車です。
ボディカラーには大統領車としての格式と威厳にふさわしい特別色サファイア・ブルーのボディとブラック仕上げのリアパネルが、格式ある佇まいを演出。フロント グリルには、フランス共和国の象徴である青・白・赤のトリコロールに光るDS ルミナスクリーンを採用。フロント・リアにはブルー・ホワイト・レッドの専用バッジ、バンパー先端にはフラッグホルダーを備え、すべてが国家元首のための格式が込められています。
「アート・オブ・トラベル」を体現する、技術とクラフトマンシップの融合
この特別な1台は、フランス国内の職人やパートナー企業の協力により創り上げられました。2025年5月8日、エリゼ宮殿にて特別なお披露目が行われ、DS Automobiles CEO グザヴィエ・プジョー氏をはじめ、開発チーム、そしてこの車の製作に携わったクラフツマンたちが、大統領の前でその成果を直接紹介する機会が設けられました。
PRESIDENTIAL DS N°8は、フランスが誇る匠の技と最先端の技術、そして芸術的な感性が結集した、まさに「移動を芸術へと昇華させる」DSの真髄を体現する一台です。
DS Automobilesの熟練トリマーたちは、パリ近郊のDS DESIGN STUDIOに隣接するアトリエで、すべてのDSモデルに欠かせない上質な内装づくりを担っています。
今回もその卓越した技術と美意識をもって、PRESIDENTIAL DS N°8のための特別な仕立てに取り組みました。
前後のシートは、DSのシグニチャーの1つでもあるアルカンターラ®と“ウォッチストラップデザイン”のナッパレザーを組み合わせ、特別に選ばれたドリーム・ブルーで仕上げられています。また、ドアやインテリアの各所に施されたサテン生地のプリーツや保護仕上げも、すべて職人の手によるもの。パールステッチなど、DSの象徴とも言える繊細な装飾もドアパネルやダッシュボードにあしらわれています。
フランス国家が認定する「グラン・アトリエ・ド・フランス」および「無形文化財企業(EPV)」の一員であるリゾン・ド・コーヌは、装飾芸術の先駆者アンドレ・グルーの孫娘として、その卓越した技を現代に受け継いでいます。
パリ6区のアトリエでPRESIDENTIAL DS N°8のダッシュボード前面とフロントドアトリムに施された麦わら細工を自らの手で仕上げました。
使用された素材は、一見控えめながらも、染色と手仕事により美しく昇華されたライ麦の茎。12名の職人たちによって、シーグリーンとミッドナイトブルーのグラデーションが映える扇形モチーフの麦わら細工が完成。その美しさはまさに芸術の域に達しています。
メタフォールは、パリを拠点とする織物・ファブリックブランドで、ブシエールおよびシャルルに工房を構えています。エルメスのテキスタイル部門に属し、馬毛織やリヨンの伝統的な絹織物など、数世紀にわたる職人技を今に伝えています。
PRESIDENTIAL DS N°8のインテリアに用いられた「ドリーム・ブルー」のサテンパネルは、リヨンの老舗シルク工房ヴェレル・ド・ベルヴァル製のファブリックから生まれたもの。気品ある光沢と滑らかな手触りが、車内に優雅な静けさをもたらします。
1853年、エミリー・ロニョンによって創設されたアトリエ・ロニョンは、伝統的なプリーツ加工を専門とするパリの老舗アトリエ。現在は、手工芸とファッションの拠点「19M」に拠点を置き、型紙を使った手作業のプリーツ技術を今なお守り続けています。
名だたるオートクチュール・メゾンを顧客に持つこのアトリエでPRESIDENTIAL DS N°8のドアパネルにも新たなプリーツ加工が施されました。精緻な技巧と芸術性が融合したその意匠は、内装にさらなる奥行きをもたらしています。
ブルターニュ地方ランバルに拠点を置くセンティゴンは、フランス政府機関および治安部隊をはじめとする公的・民間部門向けに装甲車両と特注ソリューションを提供する、信頼と実績を誇る企業です。
本車両PRESIDENTIAL DS N°8にも、国家元首の移動に求められる高い安全性を実現すべく、センティゴンの専門技術が投入されています。
ビリー・ベルクロ=ドゥヴランに建設されたフランス初のギガファクトリーを拠点とするACC(Automotive Cells Company)は、ステランティスが創業メンバーとして参画した次世代バッテリー開発企業です。
PRESIDENTIAL DS N°8に搭載されるバッテリーは、すべてこの最新設備で生産されたもの。
高速道路では一充電で500km以上*の走行が可能です。
* 欧州仕様車 参考値
1979年にサン=テティエンヌで創業したFOCALは、世界中の音響愛好家から絶大な支持を受ける高級オーディオブランド。2024年からはフランスの高級文化産業団体コルベール委員会にも加盟し、独自技術と革新性で名を馳せています。
DS Automobilesとは長年にわたるパートナーシップを築いており、PRESIDENTIAL DS N°8には、車両専用に設計されたオーディオシステムを搭載。芸術と技術が融合した、格別な音響体験を提供します。